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AI を入れる前に、必ずやってほしい 1 つの作業

5分で読めます著者: YUWA
#AI導入#中小企業#業務可視化#経営

「AI 導入、何から始めればいい?」

前回の記事で、中小企業の経営者が抱える AI への 3 つの誤解について書きました。

記事を読んで「うちも何かやってみたい」と思ってくれた方から、先日こんな質問をもらいました。

「AI を導入するとして、最初に何をすればいいんですか?ChatGPT でいいのか、Claude がいいのか、それとも専用ツールを入れるべきなのか」

この質問、実は順番が逆です。

ツールを選ぶのは、その後の話。その前にやるべきことが 1 つあります。

そして、このステップを飛ばした会社は、ほぼ確実に AI 導入で失敗します

今日はこの「最初の 1 つの作業」について書きます。

結論:「自分たちの業務を、15 分刻みで書き出す」

もったいぶらずに先に結論から書きます。

AI を入れる前にやるべきことは、**「自社の業務を 15 分刻みで書き出す」**ことです。

「なんだ、そんなことか」と思うかもしれません。

でも、僕が今まで話を聞いてきた中小企業の経営者の 10 人中 9 人が、これを一度もやったことがありませんでした

そして、この作業をやらずに AI ツールを入れた会社は、数ヶ月後にこう言います。

「結局、誰も使わなくなった」

一方で、最初にこの作業をやった会社は、導入 1 ヶ月で「もう手放せない」と言います

何が違うのか、順番に説明します。

なぜ「業務の書き出し」が必要なのか

AI ツールは、使う場面が明確でないと絶対に定着しません

「便利そうだから導入しよう」で入れた ChatGPT や Claude は、最初の 1 週間は皆が使います。でも、具体的な「この仕事に、この使い方で」という設計がないと、2 週目には半分の社員が使わなくなり、1 ヶ月後には誰も開かなくなります。

これは、ツールが悪いのではなく、"どこで使うか" が決まっていないからです。

一方、「毎週火曜の午前中、山田さんが 2 時間かけてやっている○○業務を AI で短縮する」という設計があれば、山田さんは毎週火曜に必ずそのツールを使います。使う理由が明確だからです。

この「どこで使うか」を特定するために、自社の業務を一度、細かく可視化する必要があります

「15 分刻み」にする理由

業務の書き出し方にはコツがあります。ポイントは粒度です。

経営者の多くは、自社の業務を聞かれるとこう答えます。

  • 営業
  • 経理
  • 製造
  • 総務

これでは粗すぎて、AI の使いどころが特定できません。

逆に、あまりに細かすぎても意味がない。「メールを開く」「クリックする」まで書くのは、現場の負担が大きすぎます。

僕が現場で勧めているのは、**「15 分単位」**です。

たとえば、「経理」という大きな括りを、15 分刻みで分解するとこうなります:

  • 月初 1 日目:請求書の発行準備(30 分)
  • 月初 1 日目:取引先別の売上集計(45 分)
  • 月初 1 日目:請求書の PDF 化とメール送付(1 時間 30 分)
  • 月末 月末日:売掛金の消込作業(2 時間)
  • 月末 月末日:月次の試算表作成(3 時間)

こうやって書き出すと、「どの作業が、どれくらい時間を食っているか」がはっきり見えます

そして、この中から AI で効率化できる部分を特定していく。

書き出しの具体的な進め方

実際にやる時の手順を書きます。

ステップ 1:期間を決める

1 週間または 1 ヶ月分を記録します。週次で繰り返す業務もあれば、月末だけに発生する業務もあるので、最低でも 1 週間、できれば 1 ヶ月分は記録したいところです。

ステップ 2:対象者を決める

社長 1 人分ではなく、業務を実際にやっている社員全員の記録が必要です。特に「この人しかできない業務」を持つ社員は、優先的に記録対象に入れます。

ステップ 3:記録方法を決める

紙のノートでも、スプレッドシートでも、Notion でも何でも OK。ただし全員が同じフォーマットで記録するのがコツです。バラバラだと後で集計できません。

僕がよく使うテンプレートはこれです:日時 | 業務内容 | 所要時間 | 備考(詰まったこと、繰り返し作業など)

ステップ 4:1 週間後、集計する

書き出した内容を見ると、必ず以下のいずれかが見つかります

  • 同じ作業を毎週・毎日繰り返している
  • 特定の人しかできない属人化業務
  • 「これ、誰の仕事なんだろう」という曖昧な業務
  • 時間がかかっている割に成果につながっていない作業

この 4 つのどれかが見つかれば、そこが AI 導入の最初のターゲットです。

よくある発見パターン

この作業を一緒にやった会社では、だいたい以下のようなパターンが見つかります。

パターン 1:集計・転記作業に時間を取られている

Excel やスプレッドシートにデータを手入力して、別のシートに転記して、PDF にして、メールで送る。

こういう作業は、ほぼ 100% 自動化できます。GAS(Google Apps Script)や、AI を組み合わせることで、月 10 時間以上の作業が月 30 分になる例を何度も見てきました。

パターン 2:同じような文章を何度も書いている

顧客への返信メール、報告書、日報、議事録、見積書。

同じフォーマット・同じ定型文を毎回書いている場合、ChatGPT や Claude に下書きを作らせて、人が最終チェックするフローに変えるだけで、1 通あたりの作業時間が 1/3〜1/5 になります。

パターン 3:特定の人しかできない業務がある

「この手続きは田中さんしか分からない」「あの顧客対応は鈴木さんだけができる」。

これは AI で解決すべき最優先課題です。その人が退職したり休んだりした瞬間に、業務が止まります。マニュアル化と AI アシストの組み合わせで、誰でも対応できる仕組みにする必要があります。

書き出しに 1 週間〜1 ヶ月は、高いか安いか

この作業、現場に負担をかけます。社員からも「忙しいのに、なぜこんなことを」と言われるかもしれません。

でも、AI ツールを 1 つ契約するコストと、定着しなかった時のコストを考えてみてください。

月 3 万円のツールを導入して、3 ヶ月使われなかったら、それだけで 9 万円が消えます。導入前の準備に時間をかけて、「どこで使うか」を特定してから導入すれば、ツールは必ず使われます

AI 導入の成否は、ツールを入れた瞬間ではなく、その前の 1 週間で決まっている。これが、何社も見てきた僕の結論です。

最後に:まず、自社の 1 週間を見える化しませんか

もし「自分の会社で業務の書き出しをやってみたい、でもどこから手をつければいいか分からない」という方がいれば、YUWA の無料診断でそのお手伝いもしています。

30 分の Zoom で、業務書き出しのテンプレートと、最初の 1 週間の進め方をお伝えします。その上で、自動化できそうな業務の目星もつけていきます。

AI ツールの営業ではなく、自社業務の棚卸しのためのご相談として、気軽に使ってください。

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